主にヒトの血液の血漿(液体成分)に含まれる、各成分をそれぞれ分離・精製して製品化したもので、日本赤十字社や各薬品会社がその調製を行っています。
原料となる血漿は、その製品により異なりますが、血漿分画製剤を使用する前には、医療機関は患者様に原料血漿について説明する義務があります。
当院では血漿分画製剤の使用前に、その製剤の必要性や副作用について患者様にご説明した上で必ず同意書を頂きます。殆どの製剤の原料血漿が人の血液(血漿)であるため、血液製剤と同じような副作用を引き起こす可能性があります。
*献血は無償ですが、非献血は有償供血者から得られた血漿です。
分類 | 用途 | 製剤名 | 原産国 | 由来 |
---|---|---|---|---|
人血清アルブミン | アルブミンの喪失(熱傷、ネフローゼ症候群など)及びアルブミン合成低下(肝硬変症など)による低アルブミン血症。出血性ショック | 20%アルブミン | 日本 | 献血 |
5%アルブミン | 日本 | 献血 | ||
4.4%アルブミネート | 日本 | 献血 | ||
静注用人免疫グロブリン製剤 | 低・無ガンマグロブリン血症、重症感染症において抗生物質との併用、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病 | グロベニン-I | 日本 | 献血 |
ヴェノグロブリン-IH | 日本 | 献血 | ||
ベニロン-I | 日本 | 献血 | ||
サングロポール | ドイツ | 献血 | ||
皮下注用人免疫グロブリン製剤 | 低・無ガンマグロブリン血症 | ハイゼントラ4g | ドイツ・オーストリア・ポーランド | 献血 |
米国・スイス | 非献血 | |||
組織接着剤 | 組織の接着・閉鎖 | タコシール | 米国・ドイツ・オーストリア | 非献血 |
ボルヒール | 日本 | 献血 | ||
ベリプラスト | 米国・ドイツ・オーストリア | 非献血 | ||
乾燥濃縮人アンチトロンビンⅢ製剤 | アンチトロンビンⅢ欠乏による血栓形成傾向、同低下を伴うDIC | ノンスロン | 日本 | 献血 |
ノイアート | 日本 | 献血 | ||
アコアラン | 遺伝子組換え | |||
乾燥濃縮人第Ⅶ因子製剤 | 先天性血友病患者のうち血液凝固第Ⅷ因子または第Ⅸ因子に対する抗体を持つ患者、後天性血友病、第Ⅶ因子欠乏症 | ノボセブン | 遺伝子組換え | |
乾燥濃縮人第Ⅷ因子製剤 | 第Ⅷ因子欠乏患者の出血傾向、同低下に伴う縫合不全・瘻孔,フォンビルブランド病患者のフォンビルブランド因子の補充による出血傾向 | コンファクトF | 日本 | 献血 |
フィブロガミンP | 米国・ドイツ・オーストリア | 非献血 | ||
遺伝子組換え第Ⅷ因子製剤 | 第Ⅷ因子欠乏患者の出血傾向 | コージネイトF | 米国 | 非献血 |
アドベイト | 遺伝子組換え | |||
乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体 | 血液凝固第9因子欠乏の出血傾向の抑制 | PPSB-HT | 日本 | 献血 |
局所止血剤 | 止血困難な小血管、毛細血管及び実質臓器からの出血 | トロンビン液 | ウシ血液 | |
フィブリノゲン製剤 | 先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向 | フィブリノゲン | 日本 | 献血 |
乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン | RhD陰性の妊婦に、D陽性の胎児を分娩した後に与えることにより、母体の抗D抗体産生を抑制 | 抗D人免疫グロブリン | 米国 | 非献血 |
抗HBs人免疫グロブリン | HBsAg(+)血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防、新生児のB型肝炎予防 | ヘパトセーラ | 米国 | 非献血 |
乾燥HBグロブリン | 米国 | 非献血 | ||
ヘブスブリン静注用 | 米国 | 非献血 | ||
乾燥抗破傷風人免疫グロブリン | 破傷風の発症予防ならびに発症後の症状軽減 | テタノブリン | 米国 | 非献血 |
アレルギー性疾患治療剤 | 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、アレルギー性皮膚炎 | ヒスタグロビン | 日本 | 献血 |
ヘモグロビン中和 | 熱傷・火傷、輸血、体外循環下開心術などの溶血反応に伴うヘモグロビン血症、ヘモグロビン尿症 | ハプトグロビン | 日本 | 献血 |