• 安全な輸血療法と細胞療法を目指して

    ご挨拶

    輸血・細胞プロセシング部運営部長

    小林 博人

    小林教授hoto

    輸血療法は、赤血球などの細胞成分や凝固因子をはじめとする蛋白質成分が減少、あるいは機能低下した際に、他に代替手段がない場合にこれらの成分を補充し、臨床症状の改善を図ることを目的としています。

    当部門では、日本赤十字社血液センターより納入された献血由来の血液製剤を適切に保管・管理し、血液型検査および交差適合試験などの輸血検査を実施したうえで、手術室、ICU、各病棟および外来部門へ供給しています。また、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤などの血漿分画製剤を含む特定生物由来製剤全般の供給・管理を担い、院内での適正使用と医療安全の推進にも積極的に関与しています。

    自己血輸血に関しては、当院で手術を受けられる患者に対する自己血採血を実施しており、さらに造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法、がん免疫細胞療法等に必要な末梢血幹細胞採取や成分採血も行っています。採取された細胞の一部は、細胞培養加工施設CPC)にて調製・活性化培養などの工程を経て、各種細胞療法へと供されます。

    さらに術中出血制御を目的としたクリオプレシピテートの調製、輸血関連免疫学的有害事象予防を目的とした洗浄血小板の調製、難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)のような専門的な輸血関連業務も対応しています。

    研究・診断支援としては、先天性溶血性貧血、先天性赤血球形成異常性貧血(CDA)、先天性赤芽球癆(DBA)等の稀少疾患に対し、赤血球酵素・膜蛋白・ヘモグロビン異常の解析や遺伝学的検査を、特殊検査室にて実施しています。

    当部概要

    部署名輸血・細胞プロセシング部
    人員医師:5名(常勤2名、兼任2名、客員教授1名)
    看護師:1名
    臨床検査技師:12名
    事務員:2名
    輸血管理料Ⅰ(輸血加算未取得)
    認定施設認定輸血医師研修施設
    認定輸血検査技師研修施設
    認定輸血看護師研修施設
    輸血機能評価(I&A)制度認定施設
    主な業務輸血用血液製剤供給
    輸血関連検査
    細胞療法製剤調製
    自己血採血
    アフェレーシス
    溶血性貧血精査

    業務実績

    項 目2024年2023年単位
    赤血球製剤1456314652単位
    新鮮凍結血漿1558812262単位
    濃厚血小板2053022320単位
    自己血(貯血式)328320単位
    アルブミン製剤8077486543g
    グロブリン製剤24494.526307g
    その他血漿分画製剤20441975
    ABO・RhD血液型1139711977
    不規則抗体スクリーニング958010389
    直接抗グロブリン試験220280
    間接抗グロブリン試験29203353
    交差適合試験1131611793
    抗A・抗B抗体価466438
    抗血小板抗体3238
    エンドトキシン検査5275
    遊離ヘモグロビン検査3957
    マイコプラズマ検査1318
    末梢血幹細胞採取・凍結保存25(13)23(19)件(患者数)
    CAR-T療法採取(アベクマ)5(4)5(5)件(患者数)
    γδ型T細胞免疫療法(採取・凍結保存)10(3011(3)件(患者数)
    γδ型T細胞免疫療法(輸注)12(3)18(3)件(患者数)
    血漿交換補充液調製402(68)398(57)本(患者数)
    腹水・胸水濾過濃縮再静注法(CART)39(29)57(36)件(患者数)
    クリオプレシピテート調製128232
    洗浄血小板調製08
    テムセルHS注00件(患者数)
    自己血採血(貯血式)165(105)171(101)回(患者数)

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